リタイア後のロングステイを体験できるツアーが大人気

リタイア後に海外へ移住してのんびり暮らす…かつては一部のお金持ちだけが実現できる夢のような話でしたが、最近ではごく普通の会社員にも手が届くようになってきました。それは経済的にも社会的にも発展著しい東南アジア、特にASEAN諸国の近代化が進んだからです。 これらの国々では都市部を中心に社会インフラが整っており、海外から移住者、特に先進国のリタイア層を積極的に招き入れているのです。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

リタイア後に海外へ移住してのんびり暮らす…かつては一部のお金持ちだけが実現できる夢のような話でしたが、最近ではごく普通の会社員にも手が届くようになってきました。それは経済的にも社会的にも発展著しい東南アジア、特にASEAN諸国の近代化が進んだからです。

これらの国々では都市部を中心に社会インフラが整っており、海外から移住者、特に先進国のリタイア層を積極的に招き入れているのです。

そんな老後移住先として、特に人気の高いのがマレーシアとタイ。海外移住や長期滞在の支援、推進を行う一般財団法人ロングステイ財団の調査によれば、2000年にはロングステイ希望国第10位だったマレーシアが2006年から10年連続で1位をマーク、同じく2000年には圏外だったタイが2011年から5年連続で2位をキープしています。また、最近特に人気が高く注目されているのがフィリピン、台湾です。
longstay-ranking
出典:ロングステイ財団

どちらも日本から近く、気候は年間を通して温暖で、特に、世界でも有数のリゾート、セブ島を有するフィリピンの人気が近年高まっています。この4つの国は海外からの退職者向けに長期滞在ビザや永住権を制度化しています。

1番人気のマレーシアは10年間の長期滞在が可能なマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(通称MM2H)というビザがあり、マレーシア国内でのさまざまな特典が得られます。ただし現在のレートにして約900万円をマレーシア国内の銀行に預金しなければなりません。

2番任意のタイは2万5千米ドルの預金で1年間の長期滞在ビザ、台湾は預金は不要ですが、5万米ドル相当の財力を有することの証明で180日の滞在が可能です。これらの国々に対してフィリピンでは2万米ドルの預金で期限のない永住権が得られます。

マレーシアなど他のアジア諸国が年々海外長期滞在の規制を厳しくしている中で、フィリピンでは積極的に海外、特に先進国からの退職移住者受け入れを拡充させようと躍起になっているとことです。

さて、日本におけるロングステイ希望国の人気順位は先述のとおりですが、ハワイやオーストラリア、アメリカ、カナダなどは退職後も相当の資金力がないと移住は難しいので、現実的なリタイア後の海外生活はアジア諸国でのロングステイ、ということになるでしょう。

ASEAN諸国の発展がめざましい、社会インフラがそこそこ整っている、とはいえ、現地で暮らすということは、旅行で訪れるのとはわけが違います。そこで、退職後を見据えた海外ロングステイでは、少なくとも1週間以上のお試し体験をおススメします。

幸いなことに、近年海外でのロングステイヤーは急増しており、海外ロングステイ体験ツアーを企画する旅行代理店が増えています。また、ロングステイ財団のホームページでも体験ツアーの情報を掲載していますので、退職後の海外移住、ロングステイを検討している方はぜひ参加してみてください。

それでは、実際のツアーではどんなことが体験できるのでしょうか。ロングステイ財団の体験ツアー情報をもとにいくつかピックアップしてみました。

タイ・チェンマイでのロングステイ体験ツアー
まずは近畿日本ツーリストが企画している「暮らすように旅する」ツアーから、タイ・チェンマイ滞在8日間です。
旅行代金:160,000~200,000円
訪問都市:タイ/チェンマイ
宿泊施設:カンタリーヒルズ、イースティンタン、チェンマイプラザのいずれか
スケジュール:1日目はホテルへ直行
2日目午前:アパート、スーパー、日本人クラブ訪問、ソンテウ乗車体験
午後:添乗員同行で街歩き
3日目~7日目は終日自由行動、オプショナルツアーは、タイ工芸品工房見学、ナイトマーケット、ゴルフ、スパ、寺院観光など。

カンタリーヒルズ
kantary-hills
出典:HotelTravel.com

 

イースティンタンホテル
eastin-hotel
出典:楽天トラベル
changmai-plaza-hotel
出典:booking.com

このツアーの中でちょっと面白いと思ったのが「ソンテウの試乗体験」。タイといえば3輪タクシーのトゥクトゥクが有名ですが、初心者には運賃や行き先の交渉がむずかしく利用しずらいもの。ソンテウは海苔間からほかの乗客もいて安心だし、たいていは行き先によらず料金も一定。タイに行ったら移動の足として欠かせない乗り物です。

トゥクトゥク
tuktuk
出典:アジアホテルナビ

ソンテウ
songthaew
出典:タイランドウェブ

ソンテウは荷台を客席に改造したトラックで、乗り合いタクシー、または乗り合いバス的な乗り物です。チェンマイにはタクシー式の赤いソンテウが走っているので、ソンテウを見つけたら手を挙げて止めます。ソンテウを停めるときは、日本のタクシーのように手を真上に上げるのではなく、ハリウッド映画のように手を真横に出して停めるのが、タイ式。

ソンテウが止まったら、運転手に行き先を告げてOKなら、荷台に乗りこみます。ソンテウは乗り合いなので決まったルートがなく、乗り合わせた乗客の行き先に応じて市内を走ります。だいたい20バーツ(60~70円)位で料金は一律の場合が多いです。

でも、ときには遠回りをされたり、最初に乗ったのに目的地が後回しにされたり、乗客が多いときなど行き先を忘れられたりすることもあるので、時間に余裕のあるときでないと使えません。また、なかにはぼったくりの運転手もいるので気をつけましょう。

フィリピンでのロングステイ体験
さて、次は人気急上昇中、フィリピンでの体験ツアー。フィリピンと聞くとどうしても治安の悪さが浮かびますが、フィリピンの中でも治安が良いとされる地域はあるものです。

フィリピンの首都マニラから車で約2時間、旧アメリカ空軍クラーク基地が返還された後、1993年に経済特別区に指定され、教育機関や国際会議場、ホテルやカジノなどがあり、クラーク国際空港は香港、マカオ、シンガポール、韓国、ドバイ、ドーハなどへの直行便が就航するハブ空港として利用されています。

このクラーク経済特区周辺には語学学校が多数あり、セブ島と並ぶ語学留学の拠点としてもよく知られています。ロングステイ財団のホームページに掲載されていたのは、このクラーク地区にあるフレンドシップクラブという会員制シェアハウスの体験ツアーです。

フレンドシップクラブとは早い話が会員制の大規模ペンションで、施設の1階は共用スペース、2階を客室にした施設を複数の会員がシェアできるサービスです。日本の会員制リゾートクラブにのように、年間、あるいは複数年の契約で宿泊できる日数が決められています。

friendship-club1

friendship-club2

friendship-club3
出典:海外(フィリピン・クラーク)ロングステイならフレンドシップクラブ

こうした施設の良いところは、24時間施設のスタッフがいるので、急病や日常でのちょっとした困りごとにもフレンドリーに対応してくれるところでしょう。このフレンドシップクラブで定期的に実施しているのが体験ロングステイ。ひとり49,000円で朝夕食、送迎付きのリーズナブルなプラン。

1日目はウェルカムパーティー、2日目はリゾート地区やスーパーの見学、3日目は朝市とスービックの見学、4日目は周辺地域の散策、となっています。スービックはクラークと同様、元アメリカ海軍の基地で、現在は経済特区に指定されています。海沿いの町でビーチがあり、クラークよりも一層リゾート感あふれる地域です。

海外移住にあこがれているけれども、夫婦二人だけではさみしいし、現地でうまく地域に溶け込めるか不安、また、退職後に高齢期を迎えての海外移住はやはり医療と健康が心配、という方にはこの体験ツアー、会員制シェアハウスが向いているかもしれません。

台湾ロングステイ体験
さて、残念ながらロングステイ財団のホームページには掲載されていなかったのが、台湾でのロングステイ体験ツアーです。ですが、台湾でのロングステイを考えている方向けに、台湾ロングステイ協会東京事務所が運営するホームページがあります。
http://www.longstaytaiwan.org/

台湾ロングステイ協会は台湾政府や観光局などの行政と、農業やサービス業、学術機関、研究機関などが2006年に共同で立ち上げました。海外ロングステイヤー向けに国内の環境整備やロングステイヤーの誘致などを行っています。

そんな台湾ロングステイ協会の提携宿泊施設が台中にある「振英会館」です。台中駅から車で20分ほどの閑静な場所にある建物はとても立派で、高級マンションのようです。エントランスを入るとホテルのようなフロントがあり、スタッフが24時間サポートをしてくれます。こんなに立派な施設なのに、宿泊費はとてもリーズナブル。
shinei-kaikan1
shinei-kaikan2
出典:台中ナビ

1泊では2000台湾ドル(7000円弱)ですが、宿泊日数が増えるほど料金は割安になり、30泊では日本円にして11万円程度です。周辺にはスーパーやコンビニ、飲食店などが立ち並び、パチンコ屋さんまであります。もしものときには日本語対応可能な中国医薬大学病院もあります。

台湾では片言の英語、中国語と日本語で十分コミュニケーション可能ですし、なにより台湾の人たちは親日家で親切です。他の東南アジアの国々よりも気兼ねなくのんびりと過ごせることは間違いありません。

振英会館紹介ビデオYoutube

人気ナンバーワン・マレーシアでの体験ツアー

最後はロングステイ希望国10年連続ナンバーワンのマレーシアです。ロングステイ財団のウェブサイトにもクアラルンプールでの1週間英語レッスンツアー、クアラルンプールを始め、ペナン、ジョホールバルなどの不動産視察ツアー、MM2Hビザ申請に先駆けた現地下見ツアーなど、いろいろなツアー情報が掲載されています。

そんな中で、今回ご紹介するのはMM2Hビザの取得を前提とした「クアラルンプール生活視察下見ツアー」です。ツアーを企画しているのは日本人が代表を務めるMM2H取得サポートを主体とするコンサルタント会社です。MM2Hのサポートだけでなく、不動産の取得や不動産投資のコンサルもサービスしています。

体験ツアーのほうはちょっと変わっていて、ツアーそのものではなく、日本人の現地スタッフがロングステイをするうえで欠かせない施設などを、車で移動しながら案内してくれるというもの。視察対象はイオンなど日系のスーパーマーケットや日本語対応可能な病院、日本人が多く住む住宅地やアクセスの確認、クアラルンプールの日本人会などです。

視察施設、内容は希望に応じて変更が可能ということで、参加費用は16,000円、実施日は毎週月曜日から金曜日までの午前および午後です。ただし、ホームページ上での参加費用は2016年9月までとなっていますので、為替の変動等で変更になっている可能性があります。また、この視察とは別に、希望者には3泊4日から最長2カ月までの長期滞在プランも相談に応じて対応してくれるそうです。
クアラルンプールの地図
kuala-lumpur-map
出典:エリア紹介 | コスモスプラン

クアラルンプール(KL)周辺で最も日本人の多いエリアがモント・キアラ。もともと外国人の駐在員向けに整備された高級住宅街で、高速道路から近く高層のコンドミニアムは1万戸以上もあるといわれています。700世帯、2000人を超す日本人が暮らしており、インターナショナルスクールや日本人学校もあり、大型ショッピングセンターもある暮らしやすい街です。

mont-kiara1

mont-kiara2

mont-kiara3

mont-kiara4
出典:ひねくれ団塊世代のMM2Hチャレンジ日記

企業の駐在員向けの住宅街として利便性の高いモント・キアラですが、もう少しアクセスの良いロングステイヤー向けの住宅街としておススメなのがミッドバレー周辺です。みっどバレーから徒歩5分ほどのタマンセプテにはKL日本人会があり、多くの日本人が住む街です。

ミッドバレーにはKTMの駅があり、KLセントラルは隣駅で歩いても行ける距離にあります。また、アジアを代表する巨大モール「ミッドバレーモール」や高級モールの「ガーデンズ」も歩いて10分ほどの距離にあります。メガモールにはスーパーのイオン、ユニクロ、無印良品などアジアで人気の高い日本のテナントも多数入居しています。

mid-valley1

mid-valley2

mid-valley3
出典:マレーシア不動産ナビ

実際にクラスとなる気になるのが現地の医療体制ですが、クアラルンプールの私立総合病院では最新の医療機器をそろえており、日本の医大を卒業した日本語ペラペラのマレー人医師のいる病院もあります。大きな私立病院では総じて日本語対応が完備されており、英語での対応も可能ですので、医療に関しては安心して受診できる体制が整っているといえるでしょう。

リタイヤ後のロングステイヤーは各種医療保険に入りにくくなりますので、移住前に保険の内容を確認しておく必要があります。国民健康保険については、日本に住民票があれば海外でも治療費の負担は少なくて済みます。ただし、現地では被保険者自身が立て替え払いを行い、後日保険請求で払い戻しされますので、この請求に必要な医師の診断書、治療の証明書等を発行してもらう必要があります。万が一のために、病院に対して事前に確認しておくとよいでしょう。

KL日本人会のホームページには3件の病院情報が掲載されています。

Global Doctors Clinic
グローバルドクターズインターナショナルメディカルクリニック

Japan Medicare
ジャパンメディケア

HSC Japan Clinic
HSCジャパンクリニック

資産を上手に活用して日本にいるよりも豊かな暮らしを満喫できる海外ロングステイ。地震や津波、台風など常に天災のリスクがあり、景気先行きの不透明な状態が長く続く日本よりも、天災におびえることなく、温暖な気候で日本よりも圧倒的に物価の安い海外で、のんびりと暮してみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。